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歌帳

日々の思いを歌にこめて

ゆく人くる人

ゆく人にかける言葉を探すうちにくる人のため用意が進む

悪ぶって

しらじらしく落としどころを決めてなどのたまっている人の危うさ

思い切り悪ぶってみるそれだけが今の自分の形とあらば

横書きの青春などといいさして実はなんにも考えてない

 

さりぎわ

去り際に流れるしらべ曲名を思い出せないままリフレイン

最後の音

とりわけて最後の音を推し量る我が日常の隙間の闇で

いつもの席

新しいことを始める勇気さえ持てない時はいつもの席に

この席の前に広がる光景の輝きさえも見えなくなって

知らぬうち決められている次の手もその次の手もさらに次をも

暖かいいつもの席を捨て去っていかねばならぬ時は来たりぬ

まもなく

ホームでは少し迷子になってみるまもなく急行出発するが

晴着

振袖をぎこちなく着て微笑んで化粧の過ぎる教え子に会う

いろいろとつらいこともあるんです。さらりと言った教え子二十歳

それだけが人生なんじゃないんだと言おうとしたが言い切れなくて

大学は面白いんですという声のあまり弾んでいない気がして