歌帳

日々の思いを歌にこめて

憤怒の形

いかほどの怒りがあるか増長天踏みつけられし邪気の哀れさ

  先日、博物館で増長天像を見てきた。仏法の守り神としてにらみをきかすのが天の役目ということだが、その精神の造形は見事というほかなく、思わず惹きつけられてしまった。天たちが踏みつける邪気は何のシンボルなのか。少なくとも私のような煩悩の塊の存在はこの哀れな存在の方に近いのではないかと考えてしまうのだった。