歌帳

日々の思いを歌にこめて

いつもの席

新しいことを始める勇気さえ持てない時はいつもの席に

この席の前に広がる光景の輝きさえも見えなくなって

知らぬうち決められている次の手もその次の手もさらに次をも

暖かいいつもの席を捨て去っていかねばならぬ時は来たりぬ

晴着

振袖をぎこちなく着て微笑んで化粧の過ぎる教え子に会う

いろいろとつらいこともあるんです。さらりと言った教え子二十歳

それだけが人生なんじゃないんだと言おうとしたが言い切れなくて

大学は面白いんですという声のあまり弾んでいない気がして